今度は月面ミッションとそれに関わった3人の大統領について、まとめようと思います。
月面ミッションは有人・無人の月面へのフライトで次のようなものがありました。
- パイオニア計画 ・・・ 無人の月探査(月接近)
- レインジャー計画 ・・・ 無人の月探査(月面衝突)
- サーベイヤー計画 ・・・ 無人の月探査(月面軟着陸)
- ルナ・オービター計画 ・・・ 無人の月探査(月面周回軌道投入)
- アポロ計画 ・・・ 有人の月面着陸
アポロ計画に関わった大統領は3人いました。
- ケネディ大統領(1961年1月~1963年11月)
アポロ計画を発足。1963年暗殺され死亡。民主党。 - ジョンソン大統領(1963年11月~1969年1月)
副大統領だったがケネディ暗殺により大統領に昇格。民主党。 - ニクソン大統領(1969年1月~1974年8月)
アポロ月面着陸達成時の大統領。元副大統領(1953年1月~1961年1月)。共和党。
今回は私の感想や考察が節々に書かれています。
それに対する意見はもしあったらコメントに書いていただけるとうれしいです。
時代背景とアポロ計画の始動
1959年1月キューバ革命後、キューバはカストロが首相に就任しました。アメリカとキューバは仲が悪く、特にニクソン副大統領はカストロを嫌っていました。ニクソン副大統領とCIA長官アレン・ダレスが対キューバ戦を統率していました。
そして1961年1月、大統領になったばかりのケネディは慎重にカストロを攻撃することでキューバ攻撃のミッションを承認しました。しかし1961年4月、ピッグス湾でアメリカは大敗しました(ピッグス湾事件)。
ケネディはCIAのトップを処分するなどをし、軍やCIAと仲が悪くなりました。
※ニクソン元副大統領は政権交代で離脱しましたが、戦友が処分されたので不愉快だったと思います。
その直後1961年5月にケネディ大統領は「1960年代中に人類を月に到達させる」と演説し、アポロ計画の支援を表明しました。
これはピッグス湾事件の作戦失敗により、支持率低下を恐れたために行われました。
アメリカの無人月面ミッション状況(月接近or月面衝突)
パイオニア0号 | ソー-エイブル | 1958.08.17 | 月周回 | 失敗 - 第一段の爆発により破壊 |
パイオニア1号 | ソー-エイブル | 1958.10.11 | フライバイ | 失敗 - ソフトウェアエラー |
パイオニア2号 | ソー-エイブル | 1958.11.08 | 月周回 | 失敗 - 第三段のミスファイヤー |
パイオニア3号 | ジュノーII | 1958.12.06 | フライバイ | 失敗 - 第一段のミスファイヤー |
パイオニア4号 | ジュノーII | 1959.03.03 | フライバイ | 失敗 - 目標に届かず |
パイオニアP-1 | アトラスCエイブル | 1959.09.24 | 月周回 | 失敗 - 試験中にロケットが爆発 |
パイオニアP-3 | アトラスDエイブル | 1959.11.29 | 月周回 | 失敗 - 打ち上げに失敗し墜落 |
パイオニアP-30 | アトラスDエイブル | 1960.09.25 | フライバイ | 失敗 - 第二段の異常 |
パイオニアP-31 | アトラスDエイブル | 1960.12.15 | フライバイ | 失敗 - 第一段の爆発 |
この全滅の状況でケネディはアポロ計画のための演説を実施しました。
レインジャー1号 | アトラス・アジェナ | 1961.08.23 | テスト飛行 | 失敗 - 第二段が作動せず |
レインジャー2号 | アトラス・アジェナ | 1961.11.18 | テスト飛行 | 失敗 - 第二段が作動せず |
レインジャー3号 | アトラス・アジェナ | 1962.01.26 | 月面衝突 | 失敗 - ブースター誘導装置故障 |
→ここまで壊滅的な状況でした。 | ||||
レインジャー4号 | アトラス・アジェナ | 1962.04.23 | 月面衝突 | 失敗 - コンピュータの故障 |
→月面写真を地球に送るというミッションは失敗しましたが、月面衝突は達成しました。しかし通信のできない月の裏側で激突しているにもかかわらず月面上の詳細な位置が公表されており、つまりこれは虚偽情報でした。(※レインジャー4号 参照) 実際には月にはたどり着いておらず、アメリカの偽装はここで始まりました。 その直後の1962年5月、カストロはソビエト連邦に軍事的支援を求めました。 →カストロはアメリカの月面衝突のニュースを受けて、宇宙開発競争相手のソ連と手を組みました。(おそらく偽装も見破ったうえでの行動です。) ※カストロとソ連を結束させてしまったことで、ニクソン元副大統領は月面ミッションの偽装に良い気はしなかったと思います(この時はジョンソンが副大統領)。 1962年10月キューバ危機(ケネディ大統領にその情報が入ったのは10月16日) その2日後のレインジャー計画は予定通り打ち上げられました。 | ||||
レインジャー5号 | アトラス・アジェナ | 1962.10.18 | 月面衝突 | 失敗 - 電力故障 |
しかし、その後レインジャー計画はおとなしくなりました。 キューバ危機があったことによるソ連との緊張状態も影響していたと考えています。 1963年11月22日ケネディ暗殺。 →軍需企業やCIA、FBIに暗殺されたという説があります。大きな予算が絡むのでアポロを推し進めたい人もいたかもしれません。 同じ民主党のジョンソン副大統領が繰り上げで大統領になってから、イケイケで月面ミッションは進んでいきました。 ※ソ連に負けないため、利権のため、偽装もやむなしというスタンスでどんどん予算をかけてミッションは進められました。 | ||||
レインジャー6号 | アトラス・アジェナ | 1964.01.30 | 月面衝突 | 失敗 - カメラの故障 |
レインジャー7号 | アトラス・アジェナ | 1964.07.28 | 月面衝突 | 成功 - 4308枚の写真を送信 |
レインジャー8号 | アトラス・アジェナ | 1965.02.17 | 月面衝突 | 成功 - 7137枚の写真を送信 |
レインジャー9号 | アトラス・アジェナ | 1965.03.21 | 月面衝突 | 成功 - 5814枚の写真を送信 |
アメリカの無人の月着陸の挑戦(月面軟着陸)
サーベイヤー1号 | アトラス・セントール | 1966.05.30 | 月面軟着陸 | 成功 - 11,000枚の写真を送信 |
ソ連は1966年1月に軟着陸を行い、その後1966年5月にアメリカも軟着陸も成功しました。 アメリカは1発目で成功するという異色の展開で偽装合戦も互角になりました。 ここでアメリカの月面ミッションは予算のピークを迎え、徐々に減少に向かいます。 ソ連と互角になったことで、ソ連の脅威が薄れたことも影響しました。 しかし偽装なので予算は削減される中でも圧倒的な成功率でミッションは進められました。 | ||||
サーベイヤー2号 | アトラス・セントール | 1966.09.20 | 月面軟着陸 | 失敗 - 中間軌道修正に失敗 |
サーベイヤー3号 | アトラス・セントール | 1967.04.20 | 月面軟着陸 | 成功 - 6,000枚の写真を送信 |
サーベイヤー4号 | アトラス・セントール | 1967.07.14 | 月面軟着陸 | 失敗 - 通信断 |
サーベイヤー5号 | アトラス・セントール | 1967.09.08 | 月面軟着陸 | 成功 - 19,000枚の写真を送信 |
サーベイヤー6号 | アトラス・セントール | 1967.11.07 | 月面軟着陸 | 成功 - 30,000枚の写真を送信 |
サーベイヤー7号 | アトラス・セントール | 1968.01.07 | 月面軟着陸 | 成功 - 21,000枚の写真を送信 |
月軌道投入
ルナ・オービター1号 | アトラス・アジェナ | 1966.08.10 | 月周回軌道 | 成功 - 80日間のミッション |
ルナ・オービター2号 | アトラス・アジェナ | 1966.11.06 | 月周回軌道 | 成功 - 339日間のミッション |
ルナ・オービター3号 | アトラス・アジェナ | 1967.02.05 | 月周回軌道 | 成功 - 246日間のミッション |
ルナ・オービター4号 | アトラス・アジェナ | 1967.05.04 | 月周回軌道 | 成功 - 180日間のミッション |
ルナ・オービター5号 | アトラス・アジェナ | 1967.08.01 | 月周回軌道 | 成功 - 183日間のミッション |
アポロ計画
アポロ1号(AS-204) | サターン1B | 1967.02.21 | 有人地球軌道 | 失敗 - 打ち上げせず |
→月面着陸に反対していた宇宙飛行士3人を殺害することが目的だったとも言われています。 | ||||
アポロ2号(AS-203) | サターン1B | 1966.07.05 | 無人地球軌道 | 成功 - アポロ2号は非公式 |
アポロ3号(AS-202) | サターン1B | 1966.08.25 | 無人弾道飛行 | 成功 - アポロ3号は非公式 |
アポロ4号 | サターンV | 1967.11.09 | 無人地球軌道 | 成功 |
アポロ5号 | サターン1B | 1968.01.22 | 無人地球軌道 | 成功 |
アポロ6号 | サターンV | 1968.04.04 | 無人地球軌道 | 一部成功 |
アポロ7号 | サターン1B | 1968.10.11 | 有人地球軌道 | 成功 |
アポロ8号 | サターンV | 1968.12.21 | 有人月軌道 | 成功 |
→ここでアメリカがソ連にはじめて勝ちました。 1969年1月20日、共和党のニクソン元副大統領が大統領に就任しました。 月面ミッションは民主党が打ち出した政策だがニクソンは共和党。 無駄な予算と感じても、既に引くに引けない状態になっており、偽装は続けられました。 しかし、予算は大きく削減しリストラをするなど、アポロ計画(宇宙開発計画)は乗り気でありませんでした。 | ||||
アポロ9号 | サターンV | 1969.03.03 | 有人地球軌道 | 成功 |
アポロ10号 | サターンV | 1969.05.18 | 有人月軌道 | 成功 |
アポロ11号 | サターンV | 1969.07.16 | 有人月面着陸 | 成功 |
アポロ12号 | サターンV | 1969.11.14 | 有人月面着陸 | 成功 |
アポロ13号 | サターンV | 1970.04.11 | 有人月面着陸 | 失敗 |
1970年にはニクソン大統領がケネディ宇宙センターの大規模なリストラを発表しました。 | ||||
アポロ14号 | サターンV | 1971.01.31 | 有人月面着陸 | 成功 |
アポロ15号 | サターンV | 1971.07.26 | 有人月面着陸 | 成功 |
アポロ16号 | サターンV | 1972.04.16 | 有人月面着陸 | 成功 |
アポロ17号 | サターンV | 1972.12.07 | 有人月面着陸 | 成功 |
なぜアポロ13号の失敗で終わらせなかったか?
そもそも世間の注目を得るためのパフォーマンスであり、NASAを計画的にリストラするシナリオは既にできていたからです。アポロを中止して大量の失業者を一気に作ったら社会問題になりかねませんでした。
また、ミッション失敗で終わらせるのではなく、成功裏に縮小させていく方が対ソ連においても対国民においても都合がよかったのです。
もう一つ言えることは、敵を作ることにより、(自分が大統領の間に)偽装がばらされる心配と暗殺される恐怖もあったのではないかと思います。ニクソンはケネディ暗殺の真犯人(首謀者)を知っていたと考えています。中にはアポロを進めたかった人もいたということです。
結論
今回の記事で私が出した結論は、アポロ計画で月面着陸を本気で行おうとしていたのではなく、アポロは単にケネディが作り出した政治的なプロパガンダ(宣伝)にすぎなかったということです。
アポロ計画捏造説#61 につづく
G3です。
返信削除いつも鋭い視点での切り込みに感心します。
アポロ計画以前のロケット開発の失敗続きそして3人の大統領の宇宙開発への非積極性が手に取るように理解できました。
みんな政治的利用でしかなく誰一人純粋に考えている者は無かったのですね。
だからこそ、ハッタリでもなんでもいいから宇宙開発で一番に成りたかったという誠に未熟で低年齢的思考の結果だったということです。
これほど明確な分析をされれば肯定派の人も恥かしくてここにコメントできないでしょうね。
G3
削除わいあんです。
コメントありがとうございます。
3人の大統領はそれぞれの思惑を持って動いていたんだろうなぁと、この記事を書いてて思いました。
1960年のアメリカ大統領選挙ではケネディとニクソンが争ったそうなのですが、2人の理念は異なっていたのだそうです。
・ケネディはソ連に後れを取ったことを批判しました。
・ニクソンは「平和と繁栄」路線の継承を訴えました。
結果は僅差(49.7% vs 49.6%)でケネディが勝利したのだそうです。
※1960年アメリカ合衆国大統領選挙 参照
ケネディとジョンソン(つまり民主党サイド)はソ連に勝つことを望み、ニクソン(つまり共和党サイド)は平和的な解決を望んだのでしょうね。
改めて読み返すと実際にそういった動きにも見えました。
また、大統領選の時、ニクソンはケネディが若すぎる(43歳)ため大統領は務まらないと批判しました。
・ピッグス湾事件の作戦失敗(不十分な統率、キューバの過小評価)
・CIA長官などへの厳しい処分
・汚名挽回のための大胆すぎるアポロ計画の起案
・キューバ危機のはっきりしないアプローチ(結果的には良かったのかもしれませんね)
・本気すぎるキューバへの対応(180隻の海軍艦艇に2000機の戦闘機、キューバの過大評価)
・キューバ戦後のソ連との密約(本文には書かなかった内容です。アポロが足踏みしたことだけは書きました。)
これらを見れば、そうだったかもしれないなと思いました。
ソ連とアメリカがどう争っていたかもまとめてみたくなりました。
次は米ソ宇宙開発競争について、ねつ造派の視点でまとめてみたいと思います。
うまくまとまるといいなぁ。
では。
わいあん
こんにちは。今ここまでブログ拝読してます。
返信削除疑惑についての考証は出尽くした感もありますが、ここを拝読していて更にいくつかの疑問が湧いてきました。アポロ 肯定捏造の専門分野的知識は持ち合わせておりませんので、当ブログ読者の素直な疑問の一つです。
当初の計画から探査機をバンバン月面に激突させている訳ですが、捏造肯定の両陣営からの(月面上にあるはずの激闘残骸状況)についての考証を見た覚えがありません。表側はやれ何号の着陸痕だ、轍だ、反射器だと持ち上げますが、かぐやも裏側の全容まで公開していませんよね?
コレを証明するなら肯定の第一歩になるはずなのに何故?
申し訳ないです、文中
削除(月面に上にあるはずの〜)以降文での
激闘残骸状況…訂正しての
激突残骸状況…の間違いでした。
ある意味「激闘残骸状況」でもありますが。
アメリカの権力の支配構造やソ連との関係などの、裏側の話を踏まえると、アメリカとソ連の宇宙開発競争の偽装の共同歩調も納得がいきます。アポロ捏造と同じく、陰謀論とレッテルされている情報の中にあります。
返信削除アメリカは、資本主義国家らしく、経済も金融も政治も、巨大財閥群に支配されている国家です。
国際金融寡頭勢力などと呼ばれる欧米の巨大金融資本のネットワークの1つの頂点が、アメリカに拠点を構えているグループです。
その財閥グループは、CFR・国際問題評議会という組織を運営しており、財界人や学者や高級官僚や有力政治家などで構成されています。米民主党、米共和党の対立するいずれの有力政治家もこのCFRに所属しています。民主党路線の政策でも共和党路線の政策でも、どちらの路線もCFRを通して支配階級の大財閥の都合に沿ったものになります。大統領も、ほぼ大財閥〜CFRに指名された人間が任命され当選するというのが実情だそうです。金の力による民主主義の簒奪が常態化しているのがアメリカです。
一方のソ連は共産主義体制ですが、こちらにも秘密がありました。
共産主義は労働階級による支配階級に対する抵抗が基本になっている思想ですが、この根幹となるマルクスの「資本論」が、欧米金融資本からの依頼・資金提供のもと書かれたものでした。そして、ロシア革命を企画し人材を育成し資金を準備したのもイギリスを中心とした金融資本です。欧米金融資本グループの中枢を占めるのはユダヤ系の財閥ですが、革命の中心となったコミンテルンのメンバーもユダヤ人が中心になっています。共産主義体制は、成立の段階から骨抜きになっており、一握りのエリート党員・官僚による多数の人民の支配というのが実質的な目的として作られました。そのエリートの上層が、欧米金融資本の中枢にさらに支配され繋がっているという構図です。その世界的背景の中、第一次世界大戦も朝鮮戦争もベトナム戦争も、対立する勢力の最上層同士は繋がり、合意の上計画されて起こされました。ナチスのヒトラーは欧州の金融資本に教育され派遣され、米金融資本・財閥からも支援を受けていました。日本も明治維新以降、イギリス金融資本の支配下です。ソ連は大戦〜スターリン死後も、アメリカのユダヤ系財閥から支援を受け続けていました。冷戦構図も企画されたものであり、東西の陣営の政治的トップは、どちらも、上に君臨する金融資本の支配下にあるという構図です。米ソの宇宙開発競争は、このような背景の中の出来事です。
現在のプーチンのロシアは、欧米金融資本とは対立している姿勢ですが、国際宇宙ステーションには参加を続けています。ロシアにとっては、宇宙開発関係は、欧米金融資本から身を守るための"カード"になっているのかもしれません。
ちなみに現在の中国共産党の一部も欧米金融資本と繋がっており、ユダヤ系財閥は中国にも入り込んでいるようです。
欧米金融資本は、世界各国の主要通過の発行権を握っています。米連銀FRBも、株式会社形態の民間企業であり、欧米金融資本に株式支配されています。アメリカの軍需産業も金融資本に支配されていますが、ケネディは軍産複合体だけでなく、政府通貨を発行し金融資本支配に抵抗した為殺されたという話だそうです。
アメリカとソ連の宇宙開発競争が裏で手を組んでいるという陰謀論もあるということですね。以前このブログを書いてた頃に、そういった話を聞いたこともあったような気はします。
返信削除ただ、現時点、私がその意見を支持することはなさそうです。
当時のアメリカとソ連は2大強国で莫大な資金を持っていました。なので財閥ができる程度の支援で影響力を持つことができるのかというのが疑問点です。むしろそれ以上に、国家のプライドを掛けて、両者が偽装をしながらも、「自分達の方が優れている」ことを見せつけたかったんじゃないかと言う風に思うのです。
いろんな意見があるあたり、そして何が答えなのかも分からないあたり、この手の話は面白いのかもしれないですね。