ISS HOAX #17 宇宙空間をさまよう物質(スペースデブリや流星物質など)

ISS HOAX #16 では、地上から観測したISSの動画を見て、地上からはISSを見ることはできないことをまとめました。

次は宇宙空間をさまよう物質にはどんなものがあるかをまとめてみます。


スペースデブリとは
高度2,000km以下の軌道を周回する
スペースデブリの分布
スペースデブリまたは宇宙ゴミとは、なんらかの意味がある活動を行うことなく地球の衛星軌道上を周回している人工物体のことである。宇宙開発に伴ってその数は年々増え続け、対策が必要となってきている。

ここで言う「スペースデブリ」には、耐用年数を過ぎ機能を停止した、または事故・故障により制御不能となった人工衛星から、衛星などの打上げに使われたロケット本体や、その一部の部品、多段ロケットの切り離しなどによって生じた破片、デブリ同士の衝突で生まれた微細デブリ、更には宇宙飛行士が落とした「手袋・工具・部品」なども含まれる。なお、天然岩石や鉱物・金属などで構成された宇宙塵(微小な隕石)は「流星物質(メテオロイド)」と呼ばれ区別されている。

スペースデブリは、地表から300 - 450kmの低軌道では7 - 8km/s、36,000kmの静止軌道では3km/sと非常に高速で移動している。さらに軌道傾斜角によっては相対的に10km/s以上で衝突する場合もありえる。運動エネルギーは速度の2乗に比例するため、スペースデブリの破壊力はすさまじく、直径が10cmほどあれば宇宙船は完全に破壊されてしまう。数cmでも致命的な損傷は免れない。さらに数mmのものであっても場合によっては宇宙船の任務遂行能力を奪う。5 - 10mmのデブリと衝突するのは弾丸を撃ち込まれるに等しい。

米航空宇宙局(NASA)のニュースレターによると、米宇宙監視ネットワーク(US Space Surveillance Network)が捕捉している10センチ以上の浮遊物体は約1万6000個、1~10センチのものは約50万個あり、1センチに満たない微小のかけらまで入れると「おそらく数千万個は下らない」という。


隕石とは
隕石とは、惑星間空間に存在する固体物質が地球などの惑星の表面に落下してきたもののこと。

隕石は地表に到達するまでに破片になることもあれば、大きな塊のまま到達することもある。
大気との衝突によって多数の破片になり、楕円形の地域(長径数km〜数十km)に、数十個〜数百個程度、まれには数万個程度の隕石となって落下する(「隕石雨」と呼ばれる)。この場合は数百g 〜数kg程度のものが多い。


流星物質とは
流星物質とは地球上で流星現象を引き起こす原因となる物質である。太陽系内に存在する塵のうち、比較的小さな(センチメートル以下の)サイズのものであると考えられている。

流星物質が地球大気に突入すると、衝撃波による加熱のため高温となり、部分的に、あるいは完全に気化し、さらに一部は電離してプラズマとなる。流星物質の軌跡に沿った部分の大気も同様に高温となり、電離してプラズマとなる。これらプラズマ物質が再結合する際に発光し、これが流星と呼ばれる。

典型的な流星は、明るさが2等級程度で、地上約100 kmの大気中で発光する。このことから、流星の絶対的な光度は100 W 程度であることが分かる。これは自動車のヘッドライト程度の明るさに相当する。また、地上の複数の観測地点から同一の流星を同時観測したデータから、流星の対地速度は10~70km/sと見積もられている。このことから、流星物質は直径数cm以下で、氷または岩石程度の密度を持ち、数g以下の質量を持つ物質であると考えられている。また一般に暗い流星ほど多く出現することから、小さな流星物質ほど数が多いと考えられる。


流星群とは
1833年(右)と1866年(左)のしし座流星群の
大出現の様子を描いた絵画
流星群とは、その軌跡が天球上のある一点(放射点または輻射点という)を中心に放射状に広がるように出現する一群の流星のことをいう。流星群に属する流星を群流星という。流星群には、毎年同じ時期に出現する定常群と、数年~数十年おきに活発に出現する周期群、突然活動する突発群がある。たとえば、ペルセウス座流星群は定常群、しし座流星群は周期群である。突発群としてはほうおう座流星群が例として挙げられる。

流星現象を引き起こす原因となる物質を流星物質という。軌道計算により、流星物質は主に彗星から放出されると考えられているが、なかには小惑星起源のものもあるようである。流星群をもたらす流星物質を放出したこのような天体をその流星群の母天体という。母天体の周囲には、放出された一群の流星物質が細い帯状に伸びており、これをダストトレイルと呼ぶ。ダストトレイルはそれ自身の軌道上を母天体とほぼ同じ周期で巡る。ダストトレイルの軌道と地球軌道が交差しており、かつダストトレイルと地球が同時期にこの交差地点にさしかかったとき、ダストトレイルと地球との衝突によって流星群が生じる。
ダストトレイルは周回を重ねるにつれて長く伸び、軌道上に拡散していく。周期群はダストトレイルが軌道上の一部に集中しているもの、定常群は軌道上にほぼ一様に拡散したものである。したがって、周期群は比較的若い流星群であり、定常群は古い流星群であると言うことができる。
母天体からの流星物質の放出は、通常は一度限りではないため、ダストトレイルは軌道上に複数本有ることが知られている。これらは木星などの引力によって少しずつ軌道が変化しているため、出現する流星の数が変化したり、出現しなかったりする要因となっている。特に流星物質の空間密度の高いダストトレイルと地球が遭遇した場合には、大流星雨又は流星嵐となることがある。流星嵐を起こす流星群としては、しし座流星群などが知られており、2001年には世界各所で流星嵐が見られた。


放射点とは
Oが放射点
放射点とは、流星群に属する流星(群流星)が放射状に飛び出してくるように見える、天球上の1点のことである。輻射点ともいう。流星群は集団で、大きさ・向き・形が互いに似たような楕円軌道を描いて、太陽の周りを公転運動している。地球がその楕円軌道の領域に突入していくことによって、見かけ上空の1点から放射状に流星が飛び出してくるように見える。実際は流星同士の経路は平行である。
群流星は放射点から流れるが、放射点の近くにだけ流れるわけではなく、90度以上離れたところでも流れる。また、放射点に近い流星は経路が短く、90度離れたところが平均すると最も長い。そのため、流星群を観察するときは、放射点の周りだけでなく、空全体を眺めるようにすると良い。放射点の高度が高いほど、出現する流星の数は多くなる。放射点が地平線または水平線の数度以上下にある時は、その流星群の流星は全く見られない。
流星群の名前は、放射点のある星座や、その近くにある星の名前が付けられることが多い。例えばペルセウス座流星群やふたご座流星群はそれぞれペルセウス座、ふたご座に放射点がある。


ISS HOAX #18 につづく

参考URL
Wikipedia - スペースデブリ / 隕石 / 流星物質 / 流星群 / 放射点
http://www.afpbb.com/articles/-/2809250

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