アポロ計画捏造説について⑯疑惑と反論(科学・技術に関するもの)

アポロ計画捏造説について⑮ ではWikipediaのアポロ計画陰謀論にも載っている疑惑から、写真・映像に関するものを見てみました。

今度は同じように科学・技術に関するものを見てみたいと思います。
もちろん反論も書かれてますからそれも合わせて載せてます。

Wikipediaに載ってないものは別のページでまとめようと思います。

ここは「科学・技術に関するもの」です。
「伝説系のもの、その他」は次の アポロ計画捏造説について⑰ でまとめようと思います。

疑惑1
月へ往復する際、ヴァン・アレン帯(1958年発見)と呼ばれる放射線帯を通過する必要があるが、1960年代の技術でそれを防げたのか。

反論
ヴァン・アレン帯の成分は陽子と電子である。かつては確かに放射線が宇宙飛行士へ障害を及ぼすのではないかと思われた時期があったが、その通過時間が短いことや、宇宙船および宇宙服でほとんどが遮断できるため、大きな問題とはならない。

感想
アポロ計画捏造説について⑫ でも同じ話が出てました。
現時点では科学的に問題ないという結論にはなっていますが、疑惑は残っています。
近い将来ここを通過する人が現れれば正式に疑惑は晴れると思います。

疑惑2
月面の温度は日中ではかなりの高温になるはずだが、それに宇宙飛行士は耐えられないのではないか。また、カメラも故障してしまうのではないか。月面での写真撮影に用いられたのはハッセルブラッド500というカメラであるが、NASAの写真を見る限りこれがケースなどでおおわれていない。月ではわずか2時間で摂氏130度から-150度まで温度が変化する。フィルムの薬品は摂氏50度で変化し、カメラ内で膨張することでレンズを壊してしまう。また-50度になればフィルムもレンズも凍りつき、こなごなになるはずだ。

反論
月面の温度は120℃から160℃となるが、月面は真空であり熱が放射でしか伝わらず(真空の部分が断熱材となっている魔法瓶と同じ原理)、すぐにカメラなどには届かないため、大きな障害とはならない。また宇宙服にはそれら条件も考慮し、数十層にも及ぶさまざまな仕掛が施してあり、月面の環境でも問題とはならない。さらに宇宙飛行士が月に滞在したのは、月の1日では早朝から午前中にあたる気温が温暖なわずかな時間帯に過ぎない(月の自転速度は地球よりずっと遅い)。

感想
反論が何を言っているのか最初はよくわからなかったのですが、調べてみて、大気のない真空中では気温がない(温度の概念がない)ことがはじめて分かりました。温度を持っているのは地表にある物質(大地)ということで、また大地は熱しやすく冷めやすいことも分かりました。

カメラが熱を持つとすれば太陽光線が直接当たっての発熱ですね。大気のないところの太陽光線は強烈そうです。
銀でコーティングして赤外線を反射しやすくしているみたいですが、それがどのくらいの効果があるのかは分かりませんでした。地上でも太陽に当てっぱなしにしたら熱くなるのだからその程度には熱くなるんじゃないかと思いますが。。。
磁場がないために降り注ぐ強い放射線がフィルムをダメにしてしまうのではという疑問も上がっています。

ちなみに宇宙服の活動時間は7時間程度となっていたそうです。

疑惑3
アポロ計画の中でも月面着陸に関するミッションのみ成功率が異常に高く、地球周辺の実験やその後の火星に送られる簡単な無人探査衛星は失敗続きだったのはなぜか。

反論
アポロ11号の前に、アポロ8号とアポロ10号が月へ有人飛行を行い、予行演習をしている(アポロ9号は地球衛星軌道上での月着陸船の試験)。また前身となるジェミニ計画を始め、実験は数多く行われており、その中に失敗が多くあるのは当然といえる。さらに当時は冷戦中であって、宇宙飛行士は(現役ないしは元)軍人が多く、生命をかけることをいとわない者だった。

感想
捏造派にはアポロ8号もアポロ10号も偽装したと考える人もいますから、この議論も平行線になりそうですね。
軍人が生命をかけるのもいとわないというのは言い過ぎな気がしました。
戦争時代、日本人の特攻がアメリカ人に理解できなくて恐れられていたという話は有名です。

疑惑4
アポロ計画の後、アメリカが地球軌道より向こうへ人類を送っていないのはなぜか。

反論
当時は冷戦下であったため、ソビエト連邦への対抗という目的(「宇宙開発競争」)のためには、無謀に見える行為を正当化することも、膨大な予算を用いることもできた。アポロ計画に用いられた予算は、約254億USドル(現在価値で1,350億ドル、日本円だと13兆円から14兆円)である。同計画が途中で打ち切られたのも、予算の問題が大きかったこと、月面探査の結果から予算に比して得るものが少なかったことによる。

感想
肯定派:お金がないから。今ピラミッドが作れないのと同じ理由。
捏造派:技術がないから。
この話題はいつまでも平行線ですね。

疑惑5
地球の天文台や無人の月探査機から、アポロの痕跡が見えそうなものだが、報告されていないのはなぜか。

反論
地球から38万km離れた月へ望遠鏡を向けたとしても、望遠鏡の分解能に限界があるためアポロの痕跡は写らない。また2000年代までに打ち上げられた月探査機に搭載されたカメラは、予算や積載可能限界の問題から性能が低いものが多く、アポロの痕跡を写せるほどの能力を有していなかった。
2008年5月、解像度8mの「地形カメラ」を搭載したかぐやはぼんやりとした影にしか見えないものの、アポロ15号の噴射跡の写った映像を送信した。
2009年7月には同じく月軌道を周回し、さらには高解像度のカメラ(解像度1.5m)を搭載したNASAのLRO(Lunar Reconnaissance Orbiter)が、着陸船から宇宙飛行士の足跡に至るまでくっきりと写ったアポロ11号、アポロ15号、アポロ16号、アポロ17号の着陸点撮影に成功しており、捏造説を否定する強力な根拠となっている。

感想
地球から見れないのが残念です。
探査機については アポロ計画捏造説について⑪ でも出ましたね。
苦しいですが、捏造派の視点から、かぐやもNASAも話題作りのために偽装したことにします。

疑惑6
着陸船・司令船に組み込まれたアポロ誘導コンピュータの性能は、自動車や1980年代の家庭用ゲーム機のそれよりも劣るのに、なぜこれで月まで航行することができたのか。

反論
アポロの軌道は事前に地上のコンピュータなどで計算されたものであって、アポロのコンピュータは主にそのデータを受け取って軌道を補正することが目的であり、高度な機能は必要でない。さらに現行のコンピュータのように多様なデータ処理を目的に使用するのではなく、軌道補正のための数値処理に特化しているのであれば、かなり性能が低くても問題ではない。また信頼性の問題から、宇宙船には現在でも枯れた技術のコンピュータが搭載されるのが普通である。

感想
この時期に世界初の電卓が市場に現れたのだそうです。

疑惑7
月面に設置されたというレーザー反射鏡を使った実験は、アメリカで行われたもの以外成功していないし、現在は行われていない(大槻義彦)。

反論
レーザー反射鏡を使った実験はアメリカ以外で成功していないというのは事実ではない。大出力のレーザーが必要であり、航空機の運航に影響しないよう配慮も必要なため簡単に行える実験ではないが、アメリカのマクドナルド天文台やフランスのグラース天文台等複数の天文台が月までの距離を計測している。そもそも地球から月までの距離は一定ではないため、計測は継続して行われている。月が徐々に地球から離れていることは理論的に推定されてはいたが、実際に確認できたのは、レーザーによる計測を長期間行っていたからである。2000年代になると測定機器の進歩もあってミリメートル単位の精度での観測が可能となり、重力定数の精密測定といったさまざまな研究への応用が可能となってきている。

感想
これもアポロ計画捏造説について⑪で出た話。
レーザー反射鏡については一度調べてまとめてみたいと思います。

疑惑8
レーザー反射鏡がなくても、月面で反射したレーザーを捕捉すれば実験に成功したことになる。従って、実験に成功した = 反射鏡が設置されていることの証明とはならない

反論
反射鏡がない場合、月面で乱反射したレーザー光は減衰するため、地球上で捉えることは困難である。また、そもそも反射鏡がなければ、精度の高い観測を同一条件で行うことは不可能である。

感想
疑惑の通りに月面全体が反射鏡だったら私もイメージできるのですが、この大きさなのが信じ切れないのです。
AS11-40-5952
月面全体に光を当てて乱反射して減衰した光と、この反射鏡に光を当てて返ってきた光と、どちらが多くの光が返ってくると思いますか?感覚的には減衰したとしても月面全体を使った方が光は多いと思うのです。この点で反論には納得がいかないです。
コーナーキューブリフレクターが地球から来た光を正確に地球へ折り返せるほど精密に作れるかどうかも疑問ですし、月面上に置いておいたら熱でゆがんでしまい使えなくなってしまうのではないでしょうか?

疑惑9
仮にレーザー反射鏡が設置されており、反射に成功したとしても、レーザー光は往復とも地球の大気圏で屈折するため、精度の高い距離の測定は不可能である。従ってこのような実験には事実上意味がなく、反射鏡の実在や実験が実施された事実も疑わしい。

反論
大気の屈折による測定誤差は計算により補正が可能である。各種天体観測ではコンピューターによる補正が行われるのが常識であり、そもそも天体観測技術とは補正の技術を含んだ概念である。

感想
私はこう思っています。
仮にレーザー反射鏡が設置されており、反射に成功したとしても、レーザー光は往復とも地球の大気圏で屈折するため、レーザー光は検出器に帰ってこない。
地球は(赤道上だとすれば)秒速 500m ぐらいで自転しているのだそうです。地球と月の光の往復は2.6秒だから1km以上ずれることになります。

疑惑10
レーザー反射鏡は無人の着陸船でも設置可能であるため、反射鏡の存在は有人月面着陸の傍証とはならない。

反論
冷戦時代であり、東西の宇宙探査は両陣営によって監視されている。後世になって、反射鏡設置のためにアポロ着陸地点にアメリカが無人探査機を送り込んだなら、その行動はソ連によって透っ破抜かれることとなる。

感想
アポロ11号からアポロ17号は月上空まで行き、無人機で月面に設置したというストーリーの疑惑もありますね。
私は設置してないと思ってるんです。

疑惑11
アポロ11号が持ち帰ったとされる月の石は、東京大学の研究で何の成果もあげられなかった。つまり、地球に存在する石と変わらなかったのはなぜか。

反論
「月の石が地球の石と同じものである」と東京大学が発表したことはない。そのような発言をしたのは東大とは無関係であり、岩石学の専門家ではない大槻義彦早稲田大学名誉教授のみであり、それもテレビのバラエティ番組、ブログでの発言であって、学会などで発表したわけではない。また大槻の主張にはいくつかの事実誤認がある。詳細は月の石#月の石捏造説を参照。

感想
大槻教授の言われっぷりが残念です。


今回も否定派よりに考えましたが、疑惑11個のうち反論が「その通り!」と思えたのは2個だけでした。苦しいのもたくさんありましたけどね。。。

レーザー反射鏡についてはアポロが月に行った決定的な証拠なのでしょうか?

次は「伝説系のもの、その他」の捏造派の主張と反論を見てみようと思います。
項目少ないし大したことなさそうです。

アポロ計画捏造説について⑰ につづく

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