次は高度600kmで宇宙飛行士がメンテナンス作業ができるのかどうかについて書こうと思います。
過去に行われたメンテナンス作業
ハッブル宇宙望遠鏡は過去に6度のサービスミッションと呼ばれるメンテナンス作業を行っています。
- 1993年12月:初のサービスミッション (SM1) (STS-61) 。球面収差修正用の光学系であるCOSTAR(Corrective Optics Space Telescope Axial Replacement)を設置しました。これにより鮮明な画像が得られるようになりました。WF/PCの代わりに、WFPC2(Wide Field Planetary Camera 2)を設置、また太陽電池パネルの交換も行ないました。
- 1997年2月:2度目のサービスミッション (SM2) (STS-82) 。FOS(Faint Object Spectrograph)の代わりにNICMOS(近赤外カメラ及び多天体分光器:Near Infrared Camera and Multi-Object Spectrometer)や、GHRS(Goddard High Resolution Spectrometer)の代わりにSTIS(宇宙望遠鏡撮像分光器:Space Telescope Imaging Spectrograph)の設置などを行ないました。
- 1999年12月:3度目のサービスミッション (SM3A) (STS-103) 。ジャイロスコープ6台全てを交換、主コンピュータの交換などを行いました。
- 2002年3月:4度目のサービスミッション (SM3B) (STS-109) 。新型メインカメラACS (掃天用高性能カメラ:Advanced Camera for Surveys) の取り付け(FOC(Faint Object Camera)と交換)、太陽電池パネルを新型のものに交換、NICMOSの冷却装置の設置などを行いました。
- 2006年10月:5度目のサービスミッションを行い、2013年まで利用を続けるための修理を行うことがNASAより発表されました。
- 2009年5月:6度目のサービスミッション (SM4) (STS-125)。WFPC2をWFC3(Wide Field Camera 3)へ交換、故障したACSとSTISの修理、COS(Cosmic Origins Spectrograph)の設置、ジャイロとバッテリーの交換など大幅な修理を行ないました。ハッブルは「今までで最高の性能」(NASA)になり、少なくとも2014年まで寿命が延びました。ミッションは無事完了し、4ヶ月間のテスト期間を経て活動を再開しました。
高度600kmの熱圏での作業
高度600kmは大気圏の中でも熱圏と呼ばれる層であり、気温は高度とともに上がり、500℃以上にまで上昇します。密度は極めて薄いため、温度は感じられない(はず)と言われています。
※熱圏については ISS HOAX #6 を参照。
密度が薄いため気温は感じられないという主張がありますが、ハッブル宇宙望遠鏡の本体はその空間内にあるので、当然その温度まで熱せられています。
宇宙飛行士は普通に600℃の甲板に立ち、600℃の取っ手につかまっています。
強烈な紫外線やX線も浴びています。
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いくら耐熱機能が整っていたとしても、この環境内で太陽電池パネルを交換したり故障した部品の修理をしたりといった写真のような作業をするのは危険すぎです。
写真を見ても、影の映り込み具合、光の反射の具合が、明らかに屋内で撮影されたものです。
HUBBLE HOAX #5 につづく
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