ページ

ページ

ISS HOAX #19 宇宙空間の匂い

ISS HOAX #18 では、ISSに衝突する物体のことについてまとめ、スペースデブリの監視は行っていないこと、地球を周回してさまようスペースデブリは存在しないことを書きました。

次は宇宙飛行士が語る宇宙空間の匂いです。


ステーキのたたき・焼けた金属
宇宙遊泳に行った宇宙飛行士は、一貫して、宇宙空間に独特の匂いがあると語ります。
実際に宇宙空間にいる間は、宇宙服を着ているので、匂いをかぐことができませんが、スペースステーションに戻ってヘルメットを脱ぐとき、独特の匂いを感じます。匂いはスーツ、ヘルメット、手袋や装備品に染み付きます。

ほとんど真空の宇宙から帰還すると、付着した物質がステーキのたたき、焼けた金属、溶接の煙の刺すような香りがします。宇宙飛行士が訓練するために地球上で宇宙の匂いを再現するためにNASAに従事している化学者スティーブ・ピアースは、金属のような臭気はイオンの高エネルギー振動から来ているのかもしれません、と述べました。

NASAの宇宙飛行士ケビン・フォードは「私が今までに嗅いだことのない匂いで、決して忘れることができない。」と語りました。

ドン・ペティットはNASAのブログに次のように説明しました。
「この匂いを説明するのは難しいです。説明できる臭いの例がなく、「チキンのような味」のする何か新しい食べ物を混ぜ合わせたものといったような感じです。思い付く最も近い説明は金属で、むしろ心地のよい甘い金属の感覚です。」

参照
http://www.csmonitor.com/Science/2012/0723/Space-smells-like-seared-steak-hot-metal-astronauts-report-video


機械工場や料理
ドン・ペティットは次のように語りました。
半分は、機械工場のエンジンの研究所のような匂いです。あとの半分は、料理の時のような匂いがするんです。


ラズベリーとアルミの弁当箱
JAXAの山崎直子さんがテレビ番組(マサカメTV)で宇宙の匂いを次のようにして再現しました。
  • ガスコンロでラズベリーを焦がします。
  • 冷えたアルミのお弁当箱の中に焦がしたラズベリーを入れます。
参照
http://togetter.com/li/789432


焦げたような独特の匂い
JAXAの宇宙飛行士大西卓哉さんは、ハッチを開けた後、宇宙空間にさらされてきた船から「初めて宇宙の匂いをかぎました。焦げたような独特の匂い」と、五感に訴える表現を使いました。

参照
http://mainichi.jp/articles/20161029/k00/00e/040/227000c


考察
匂いは匂いを持った粒子が鼻の嗅覚細胞を刺激することで発生します。硫化物質のようなものは強い匂いをもちます。
しかし、ほとんど真空の宇宙空間には匂いの物質もほとんどありません。しかも空気は窒素や酸素ですから、それが放射線でイオン化したとして、鼻を刺す臭いの物質に変化するのもおかしいです。イオンは原子が電子を放出したり受け取ったりすることで電極を帯びることです。電子は鼻の嗅覚細胞を刺激できるレベルよりも、はるかにずっと小さく無視できるものです。

宇宙空間の匂いは完全に作り話です。

HUBBLE HOAX #1 につづく

1 件のコメント:

  1. あの、船外活動宇宙服は当然日光や放射線に晒されている訳ですが、宇宙服の表面の物質が変質した時の匂いなのではないでしょうか…
    証拠と言ってはなんですが、アメリカの宇宙服は十五年以上使われているそうです。
    それだけ宇宙で使われているのであれば、匂いがあってもおかしくないような…
    もちろん宇宙服がそんなに変質していいのか、ということもありますが、ご考慮頂ければ幸いです。

    返信削除