アポロ計画捏造説#66 プルトニウム238でアポロ月面パッケージの電力は生成可能なのか?

アポロ計画捏造説#65 では、 マウラー社の16mmフィルムカメラについてまとめました。

ここ3つの記事でカメラについての技術資料をまとめたのですが、ちょっと戻ってアポロ計画捏造説#56の記事から考察をしてみたいと思います。

アポロ計画捏造説#56 では、WikipediaのApollo Lunar Surface Experiments Package(アポロ月面実験パッケージ)を訳しました。

その時にアポロ月面パッケージの実験装置の電力は放射性同位元素熱電発電機(RTG)で発電され、プルトニウム238とサーモカップルの放射性崩壊熱を利用し、およそ70ワットの電力を生成することをまとめました。

これが実現可能なのかを検討したいと思います。

プルトニウム238について
  • 半減期が87.7年の比較的寿命の短い放射性同位体。
  • 崩壊熱を利用しゼーベック効果によって電力を生み出す放射性同位体熱電気転換器 (RTG) には都合が良い。
  • プルトニウム238の崩壊エネルギーは1kgあたり540W。
  • 放射線の外部漏洩を防ぐ鉛防護壁の厚さは2.5mm以下で済み、適切な格納容器があれば防護壁が不要である場合が多い。
  • 宇宙探査機用の原子力電池によく用いられている。
  • プルトニウム238のRTGは、1960年代から一部の埋め込み型の心臓ペースメーカーに使われていた。リチウム電池の性能が向上した1970年代からは使われなくなった。
参考URL: Wikipedia - プルトニウム238

アポロ11号は1969年7月なので、その時には既に心臓ペースメーカーで実用化していたということでしょうか。


ゼーベック効果について
  • 物体の温度差が電圧に直接変換される現象で熱電効果の一種。
  • 異なる金属または半導体に温度差を設けると電圧が発生することを利用している。
  • この電圧は温度差 1 K あたり数 μV 程度の大きさである。
参考URL: Wikipedia - ゼーベック効果

つまり金属の温度差で電圧を作るということのようです。


次は論文を参照します。

心臓ペースメーカーと原子力応用
http://ir.twmu.ac.jp/dspace/bitstream/10470/2301/1/4402000008.pdf
この記事では下記のように書かれています。
  • The first human implantation of a nuclear pacemaker was performed in France in 1970.(P. 51)
    (原子力ペースメーカーが初めて人に利用されたのは1970年フランスであった。)
  • 原子力ペースメーカーは、1970年4月パリで47才の婦人に行われた。(P. 52)
  • Establishment, Harwe11で製作された238Pu 180㎎を用いた出力220μwatt、長さ40㎜,直径17㎜の円筒状、重量409の原子力電池を、Devices社のディマンド回路に組込んだペースメーカーである。(P. 52)
1970年4月というのはアポロ11号とアポロ12号が月に着陸した後になります。
いくらプルトニウムが熱を発すると言っても、長さ4cm、直径1.7cmの大きさの中で温度差を維持できるのでしょうか?温度差が無ければゼーベック効果は得られないはずです。


別の論文を参照します。

心臓ペースメーカにおける制御機構の低消費電力化
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmbe/51/6/51_366/_pdf
この記事は2013年の資料で下記のように書かれています。
  • 従来法、マルチクロック手法及びクロックレス手法の総消費電力は、それぞれ164.5mW(内、制御機構136.1mW、ページング機構17.5mW、センシング機構10.9mW)、99.9mW(同、71.5mW、17.5mW、10.9mW)、及び24.8mW(同、3.5mW、16.8mW、4.5mW)であった。(P. 371)
つまり、2013年の技術で心臓ペースメーカーの消費電力は抑えられるようになり、136.1mWから99.9mWまたは24.8mWになったという説明です。
上の「心臓ペースメーカーと原子力応用」の論文では1970年の原子力ペースメーカーの消費電力が220μwattとなっています。0.2mWです。これはどう考えても、ありえません。


原子力ペースメーカーはインチキです。


原子力ペースメーカーが初めて使われたのは1970年だったので、Wikipediaのプルトニウム238に書かれていた「プルトニウム238のRTGは、1960年代から一部の埋め込み型の心臓ペースメーカーに使われていた。」もおかしいです。この出典をチェックします。

Los Alamos made material for plutonium-powered pumper
http://www.lanl.gov/orgs/nmt/nmtdo/AQarchive/05spring/heart.html
この記事では下記のように書かれています。
  • 1960年代に始まった新規プログラムでは、研究所は心臓の失神を助けるためのプロジェクトを始めました。1967年、ロスアラモス科学研究所は新しいミッションを探索しました。人工心臓の力を数十年続けられる自己充足タイプのエネルギー源を発達することです。エネルギー源は、「宇宙計画プルトニウム238」のために1963年に開発された同じ材料によって電力を供給されることになります。プルトニウム238の放射性崩壊熱は、直接使用するか、宇宙探査などに電力を生成するために使用されます。
出典には1960年代に研究が始まったとは書かれていますが、心臓ペースメーカーが1960年代に実用化されていることは一切の記述がありませんでした。
また、原子力電池は宇宙開発計画(つまりアポロ計画)のために研究されたということです。


これはアポロ計画で使われた原子力電池そのものもインチキだったということを示しています。


余談ですが、これらを調べている中で、ピンク・フロイドというバンドのアルバム「原子心母」にもたどり着きました。
1970年7月16日の新聞記事に、ロンドンの国立心臓病院で原子力電池駆動の心臓ペースメーカーの植込み手術に成功したというのがあり、これを元に「Atom Heart Mother」というタイトルが決定したということです。

全英初登場1位、全米55位を記録するなど世界的にヒットしました。


アポロ計画捏造説#67 につづく

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