アポロ計画捏造説#56 WikipediaのApollo Lunar Surface Experiments Package(アポロ月面実験パッケージ)を訳してみました

アポロ計画捏造説#55 では、アポロで使われたテレビカメラについてまとめました。

今度はWikipediaのApollo Lunar Surface Experiments Package(アポロ月面実験パッケージ)を訳してみました。
間違ってるところがあったらそれはごめんさい。

このページはWikipediaのページを訳しただけの公平な内容ですが、ブログ全体はアポロ捏造説について書かれています。人によっては受け付けないと思いますので、そういう人は他のページは参照されないよう、くれぐれもご注意ください。

Apollo Lunar Surface Experiments Package(アポロ月面実験パッケージ)

アポロ16号のALSEP
アポロ月面実験パッケージ(ALSEP)は、アポロ11号以降の5つの月面着陸ミッション(アポロ12号、14号、15号、16号、17号)で、宇宙飛行士が着陸地点に設置した科学機器のセットで構成されています。アポロ11号は初期アポロ科学実験パッケージ(EASEP)と呼ばれる小さなパッケージを設置しました。


背景

ALSEPを構成する計測・実験機器は1966年2月に決定されました。具体的には、実験名、責任機関、主席研究者、共同研究者は以下の通りでした。

  • 受動的月震実験: マサチューセッツ工科大学 フランク・プレス、コロンビア大学 ジョージ・サットン、ジョージア工科大学 ロバート・ホステトラー
  • 月面3軸磁力計: NASエイムズ研究センター C.P.ソネット、マーシャル宇宙飛行センター ジェリー・モディセット
  • 中間エネルギー太陽風: ジェット推進研究所 C.W.スナイダーとM.M.ノイゲバウアー
  • 超熱イオン検出: ライス大学 J.W.フリーマンJr.、マーシャル宇宙飛行センター カート・ミッチェル
  • 月面熱流測定: コロンビア大学 M.ラングセス、エール大学 S.クラーク
  • 低エネルギー太陽風: ライス大学 B.J.オブライエン
  • 能動的月震実験: スタンフォード大学 R.L.コバック、アメリカ地質調査所 J.S.ワトキンス

ALSEPはミシガン州アナーバーにあるベンディックス社の航空宇宙システム事業部によって開発とテストが行われました。測定機器は宇宙飛行士が設置した後でも自律的に動作し、月面の環境でも長期で研究できるよう設計されました。これらはセントラルステーションの周りに配置されました。セントラルステーションは、放射性同位元素熱電発電機(RTG)で発電した電力を供給して測定器と通信機器を動作させ、実験機器によって集められたデータを地球に送信することができました。熱制御は、電力消費抵抗や発熱機と同様に、受動素子(絶縁体、反射体、熱被覆)によって実現されました。機器から集められたデータはテレメトリー形式に変換されて地球に送信されました。


展開

ALSEPは月着陸船の科学機器(SEQ)室に2つのサブパッケージで収納されました。第一サブパッケージの機器はセントラルステーションを形成した一方で、第二サブパッケージはRTGの一部となりました。サブパレットが第二サブパッケージに取り付けられ、通常は1つか2つの実験機器やアンテナジンバルアセンブリを運ぶのに使われました。アポロ12号、13号および14号では、第二サブパッケージはまた月面ハンドツールキャリア(HTC)に格納されました。実験の正確な展開方法はミッションによって異なっていました。次の写真はアポロ12号を例に典型的な手順を示しています。

写真記述
ピート・コンラッドはひもと滑車を使ってSEQ室のドアを開きます。
アラン・ビーンはSEQ室から第二サブパッケージを取り除きます。これはひもが伸びた先に見えるブームと地面にセットするための滑車システムを使うことによって行われました。アポロ17号では、宇宙飛行士はブームと滑車システムを使うことは複雑な操作だと感じました。そのようにして、アポロ17号ではシステム全体が削除されました。アポロ11号では、バズ・オルドリンは時間がなかったためにそのシステムを使わないことを選びました。
第一サブパッケージ、これはコンラッドが先にSEQ室から取り除いていました。
ビーンは手の届く位置にRTGキャスクを降ろします。
ビーンはRTGキャスクからドームを取り除こうとしています。彼はドーム削除ツール(DRT)と呼ばれる特殊な道具を使っています。彼は既に燃料を入れるためにRTGの準備をしており、既にHTCを展開してることに注意してください。コンラッドは既にRTGサブパッケージからサブパレットを削除しています。
ビーンはDRTがまだついたままドームを破棄します。どちらもその後使用しませんでした。
ビーンは燃料搬送具(FTT)を使ってキャスクから燃料を取り除こうとしています。ユニバーサルハンドツール(UHT)の一つがRTGサブパッケージに取り付けられていることに注意してください。アポロ12号では、熱の膨張のため燃料はキャスクにくっついていました(ビーンは宇宙服越しに熱を感じることができました。)。ビーンがそれをはがしている時、コンラッドはハンマーでキャスクの側面をたたきました。そして彼はRTGの中にそれを挿入し、FTTを廃棄しました。
ビーンは、ALSEP設置場所を横切って作業するための準備のため、RTGサブパッケージをキャリーバーに取り付けました。キャリーバーはその後セントラルステーションのアンテナ用のマストとして使われました。
その間、コンラッドはこの写真を撮りました。
ビーンは設置場所にALSEPを運び出します。
コンラッドは左手にキャリーバーを持っていて、アンテナの台座はUHTで取り外されています。
この写真はアポロ13号のジム・ラベルのトレーニング風景です。彼はセントラルステーションの模型を展開しているところです。ステーションはバネ仕掛けになっていました。ボイドボルトを外した後、ステーションの上部は跳ね上がり、それを展開できるようになるでしょう。これらはUHTで取り外されるボイドボルトで止められていました。


共通要素

それぞれのALSEPステーションは共通要素をいくつか持っていました。

名称略図写真記述
セントラルステーション
この写真はアポロ16号のALSEPのセントラルステーションを示しています。
セントラルステーションは基本的にはALSEPステーションの司令塔でした。地球からのコマンドを受信し、データを送信し、そして各実験機器に電力を供給しました。
地球との通信は、セントラルステーションの上部に取り付けられ宇宙飛行士によって地球に向けられた、長さ58cm、直径3.8cmのらせん軸アンテナを通じて行われました。
送信機、受信機、データプロセッサ、マルチプレクサーはセントラルステーションの中に収容されました。セントラルステーションは34,800㎤の収納容積を持つ25kgの箱でした。また、アポロ12号からアポロ15号では、ダスト検出器がセントラルステーションに取り付けられており、月面のほこりの蓄積を測定しました。

放射性同位元素熱電発電機(RTG)
写真は後ろにセントラルステーションが写っているアポロ14号のRTGを示しています。
RTGはALSEPの電力源でした。それはおよそ70ワットの電力を生成するプルトニウム238とサーモカップルの放射性崩壊熱を利用しました。RTGのベースはALSEPサブパッケージのベースでした。
RTGキャスク
RTGキャスクはプルトニウム238燃料を格納しました。それはSEQ室の左側に置かれていました。キャスクは、中止になった際の打ち上げロケットの爆発や(アポロ13号で実際に起きたことだが)地球の大気圏再突入にも耐えられるように設計されていました。写真は燃料を取り除く訓練を行っているエドガー・ミッチェルを示しています。


実験のリスト

名称略図記述
能動的月震実験(ASE)
地震学から月の地下数百フィートの内部構造を調査します。ASEは主要な3つのコンポーネントで構成されていました。3つの受振器のセットは、宇宙飛行士によって、爆発を検出するためにセントラルステーションから一列に配置されました。モルタルパッケージはALSEPから離れた様々な距離から4回の爆発を投入するよう設計されました。最後、宇宙飛行士は実施しました。小さな衝撃を引き起こして22の弾薬の1つを爆発させるため、サンパーが使われました。略図はサンパー装置を示しています。
荷電粒子月面環境実験(CPLEE)
CPLEEは電子やイオンなどの荷電粒子の流れを測定するように設計されました。
冷陰極ゲージ実験(CCGE)
CCGEは基本的にはCCIGのスタンドアロン版でした。
冷陰極イオンゲージ(CCIG)
CCIG実験は月面上の大気圧を測定するために設計されました。もともとはSIDE装置の一部となるよう設計されていましたが、強い磁場が干渉を引き起こすのではないかと考えられました。CCIGは略図中のSIDEの右側にあります。
熱流量実験(HFE)
HFEは月の熱が内部から外へ流出する速度を測計り、表面下の熱測定をするために設計されました。測定は放射性同位体が豊富に存在し、月の熱の放出形態を理解するのに役立てました。HFEは電子機器装置と2つの探針で構成されていました。それぞれの探針は宇宙飛行士によって約2.5mの深さまで掘った穴に入れられました。
レーザー測距反射鏡(LRRR)
LRRRは地球からのレーザービームを反射するために使われ、ビームが往復するタイミングで月との距離を正確に測定します。その情報は潮の流れや地球の不規則な動きによって引き起こされる月の後退を研究するのに使われます。LRRRは現在でも使われている唯一の実験装置です。上の略図はアポロ11号のものです。アポロ14号はアポロ11号のものと似ていました。下の略図はそれよりも大きいアポロ15号のものです。
月面大気組成実験(LACE)
LACEは月面の大気の組成を検出するために設計されました。
月面噴出物および隕石実験(LEAM)
LEAMは月面上の隕石の衝突によって噴出した二次粒子を検出し、また微小隕石それ自体を検出するために設計されました。実験結果については月の土(Lunar soil)を参照してください。
※日本語サイトなし
月震プロファイリング実験(LSPE)
LSPEは、期待される深さが数キロであることを除けば、ASEと同じようなものでした。それは3つの主要なコンポーネントで構成されていました。4つの受振器のセットは宇宙飛行士によってALSEPの近くに置かれました。LSPEアンテナは弾薬に信号を送るために使われました。8つの弾薬があり、それぞれは1/8から6ポンドまでさまざまなサイズがありました。弾薬は月面車を使って配置されました。
月面重力計(LSG)
LSGは月の重力および時間によってのその変化量を正確に測定するように設計されました。収集データで重力波の存在が証明できることが期待されました。
月面磁力計(LSM)
LSMは月面の地場を測定するために設計されました。データは月表面下の電気的特性を決定するのに使われました。また、太陽プラズマと月面の相互作用を研究するために使われました。
受動的月震実験(PSE)
PSEは自然発生および人工的な月震を検出するように設計され、地表面下の構造を研究するのに役立てられました。
受動的月震実験パッケージ(PSEP)
自力で動作できることを除けば、PSEと同様です。これは独自の電源(太陽電池アレイ)、電子機器、通信機器を持っていることを意味します。加えて、PSEPはダスト検出器も持っていました。
太陽風スペクトロメーター実験(SWS)
SWSは太陽風の特性と月面環境での影響を研究するために設計されました。
超熱イオン検出実験(SIDE)
SIDEは月面環境における正イオンのさまざまな特性を測定し、太陽風と月との間で起きるプラズマ相互作用のデータを提供し、月面の電界強度を決定するために設計されました。


ミッションのリスト

それぞれのミッションでは異なる実験セットを持っていました。

アポロ11号(EASEP)

アポロ11号で、バズ・オルドリンは
単にハンドルを使用して設置場所に
EASEPを運びました。これは後続の
ミッションではキャリーバーを使った
のと異なっています。
月面作業はすぐに打ち切られる危険性もあったため、地質学者は、10分でセットアップして作業が完了できる実験だけ認めるよう、NASAを説得しました。その結果、アポロ11号は完全なALSEPパッケージを設置せず、初期アポロ科学実験パッケージ(EASEP)と呼ばれる簡易版を設置しました。たった1度の2時間40分のEVAしか計画されなかったので、乗組員は通常1~2時間かかる完全なALSEPを設置する十分な時間がありませんでした。どちらのパッケージも月着陸船のSEQ室に格納されていました。

エンジニアはEASEPが1回ハンドルを操作すれば展開でき、レーザー測距反射鏡も10分以内で設置できるように設計しました。単純なデザインにしたにもかかわらず、地震計は寝ている間のニール・アームストロングの動きを検知する程十分に感度の高いものでした。

名称写真記述
LRRR
黒のダストカバーがまだ取り除かれていないことに注意してください。
PSEP
21日後に故障しました。


アポロ12号


アポロ12号ALSEPのレイアウト
名称写真記述
LSM
第一サブパッケージに収納されました。
PSE
第一サブパッケージに収納されました。
SWS
第一サブパッケージに収納されました。
SIDE/CCIG
サブパレットの一部として第二サブパッケージに収納されました。
CGIGはSIDEの左側に見えます。CCIGはたった14時間で故障しました。

アンテナジンバルアセンブリはサブパレットに格納されました。PSEの土台、ALSEPの土台、キャリーバー、それとHTCは第二サブパッケージに収納されました。


アポロ13号

アポロ12号の受動的月震
実験パッケージによって
検知されたアポロ13号
S-IVBの月面に衝突した
衝撃の記録
アポロ13号ALSEPの計画された
レイアウト
着陸が中止されたため、実験機器は設置されませんでした。しかし、アポロ13号S-IVBロケット段は、アポロ12号のPSEに信号を与えるため、意図的に月面に衝突させられました。

名称記述
CPLEE第一サブパッケージに収納されました。
CCGE第一サブパッケージに収納されました。
たった1度だけ、CCGEは使われました。
HFE第一サブパッケージに収納されました。
PSE第一サブパッケージに収納されました。

アンテナジンバルアセンブリは第一サブパッケージに格納されました。PSEの土台、ALSEPの土台、キャリーバー、それと月面ドリルはサブパレットに収納されました。HTCは第二サブパッケージに収納されました。


アポロ14号


アポロ14号ALSEPのレイアウト
名称写真記述
ASE
 
上の写真はモルタル装置を示しています。
下の写真は月着陸船パイロットエドガー・ミッチェルがサンパーを操作しているところを示しています。
モルタル装置、受振器、それとサンパーは第一サブパッケージに格納されていました。
22個あるサンパーの弾薬のうち13個は正常に発火されました。モルタル装置の展開に懸念があったため、4つの爆発物はいずれも発火されませんでした。ALSEPの作業時間の終わりにそれらを発火する試みがありましたが、長い間隔をあけてしまったため、装填することができませんでした。
CPLEE
第一サブパッケージに収納されました。
LRRR
月着陸船のクワッドIに格納され、ALSEP設置場所には個別に運ばれました。
PSE
第一サブパッケージに収納されました。
SIDE/CCIG
サブパレットに収納されました。
SIDEは写真左上隅にあり、CCIGは中央にあります。

アンテナジンバルアセンブリはサブパレットに格納されました。PSEの土台、ALSEPの土台、キャリーバー、それとHTCは第二サブパッケージに収納されました。


アポロ15号


アポロ15号ALSEPのレイアウト
名称写真記述
HFE
写真の中央には電子機器装置と2つのワイヤーがそれぞれの探針とつながっているのが見えます。
第二サブパッケージに収納されました。
それぞれの穴を掘る作業では、予想以上に強い抵抗が発生しました。結果として、探針は計画していた深さまで挿入することはできませんでした。
正確な科学的データはアポロ15号の実験機器では得ることができず、アポロ17号のデータと比較して初めて得ることができました。
LRRR
月着陸船のクワッドIIIに格納され、月面車によってALSEP設置場所に運ばれました。
LSM
第一サブパッケ
ージに収納されました。
PSE
第一サブパッケ
ージに収納されました。
SWS
第一サブパッケ
ージに収納されました。
SIDE/CCIG
SIDEは左側にあり、CCIGは右側に取り付けられています。
サブパレットに収納されました。
SIDEの傾きに注意してください。これはアポロ15号の着陸地点の緯度のために必要でした。また、SIDEとCCIGを接続しているブームに注意してください。以前のミッションの乗組員が、SIDE/CCIGの2つの機器がワイヤーでつながっているところでのこれらの設置が難しいと不満を述べたため、このデザイン変更が行われました。

アンテナジンバルアセンブリはサブパレットに格納されました。ALSEPツール、キャリーバー、それとPSEの土台は第二サブパッケージに収納されました。


アポロ16号

アポロ16号ALSEPのレイアウト
名称写真記述
ASE
写真はモルタルパック(上)とサンパー(下)を示しています。アポロ14号で問題に直面した後、新しいモルタルベースが実験を改善するために使われたことに注意してください。
モルタル装置、受振器、それとサンパーは第一サブパッケージに格納されました。モルタルベースは第二サブパッケージに格納されていました。
3つの爆発物が正常に発火された後、ピッチセンサーは測定値の上限を超えました。そのため4回目の爆発はしないことにしました。
サンパーの爆薬の19個は正常に爆発しました。
HFE
写真は熱流計で正常に設置されました。
第二サブパッケージに収納されました。
探針の一つを正常に設置した後、司令官のジョン・ヤングは不注意でセントラルステーションから実験機器につなぐケーブルを足でひっかけました。ケーブルはセントラルステーション上のコネクタから外れてしまいました。地球の技術者や宇宙飛行士たちは修復できると信じていたのですが、ミッション・コントロールは修復に必要となる時間は他の作業に当てるべきと判断し、実験は終了しました。
LSM
第一サブパッケージに収納されました。
PSE
第一サブパッケージに収納されました。


アポロ17号
アポロ17号ALSEPのレイアウト

名称写真記述
HFE
探針の一つは前景に見ることができ、電子機器ボックスや他の探針は背景に見ることができます。
LACE

LEAM
LEAMは前景にあります。この実験の科学的妥当性は、いくつか奇妙な点があるために疑問視されています。
LSPE
上の写真は前景にLSPEのアンテナが見えます。中央の写真は爆薬の一つを示しています。下の写真は受振器を示しています。
LSG
設計ミスのために、実験は想定されたものを達成することはできませんでした。


アポロ以降

ALSEPシステムと実験機器は地球からコマンドを受けて制御されました。これらは、主に予算の都合なのだが、1977年9月30日に電源がオフにされるまで、設置場所から通信を行っていました。加えて、1977年には、電力パックは送信機や他の機器を動作できなくなっており、ALSEP制御室はスカイラブで再利用するために必要とされました。ALSEPシステムはLROがアポロ着陸地点上空を通過するときに撮影した写真の中で見ることができます。

アポロ17号ALSEP(科学パッケージ)を
写したLROの写真
アポロ12号ALSEPを
写したLROの写真

アポロ計画捏造説#57 につづく

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